最近、一部の大学受験予備校では、遠隔地のテレビ撮影スタジオで、有名講師が講義を行い、その講義を全国に分散している各地の教室に放送して、教室の生徒からの質問も、同時生中継で全教室に同時配信して、他の生徒にも視聴できるようにするやり方を採用して、人気になっている例があります。この方法は、企業内教育で、専門分野に関する知識を社員に教育する場合にも利用されているやり方です。予備校の授業の内容は、企業内の専門知識の教育も同じですが、決まっている最低限の知識を、それを上手に行える講師が行うことによって、受講者への効率的な知識の移転(教えること)ができます。このことは、全ての教育において常に有効な方法とは言えません。大学の専門教育で、どのような製品を設計したら良いのかを教えるような場合、その問題は、多くの場合、教師の全人的な思想や哲学を理解することが重要で、教師が示す手本を見ること、聞くことにはあまり意味がありません。これは、数学の定理について、その定理は何を問題としており、どのような方法で証明ができるのかを理解するためには、証明の手順を理解することよりも、教師である人が教える、ものの味方や、どんな知識を応用するところに特異性があるのかなどの話題の方が重要であり、予備校の1対多の放送講義のような形態は向いていないと言えるでしょう。
ブラウザの「戻るボタン」で、元の画面に戻ってください。